【建設業許可】主任技術者と監理技術者その2
2020年9月8日
こんにちは。前回に引き続き主任技術者と監理技術者についてお話ししますが、
〇〇技術者が3つ出てきてややこしくなってきたと思いますので、整理していきましょう!
専任技術者
「建設業を営む営業所に常勤して専ら職務に従事することを要する者」
建設業許可を受ける際に営業所に必ず配置される、1級または2級国家資格、
あるいは10年以上の経験を持つ技術者のことです。
営業所に常勤なので、原則として現場には出ません。
(前回記事 ◆専任義務 をご参照ください)
主任技術者
「工事施工の技術上の管理をつかさどる者として、工事現場に必ず配置しなければならない」
監理技術者
「発注者から直接工事を請け負い、4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上を下請規約する場合は、監理技術者を配置しなければならない」
主任技術者は元請・下請・請負金額にかかわらず建設工事現場に必ず配置される技術者で、
監理技術者は特定建設業に該当するような大規模工事現場に、主任技術者にかえて配置が求められます。
雇用関係
建設業法では、専任技術者の常勤性を求めておりますが、「当該技術者の勤務状況、給与の支払状況、当該技術者に対する人事権の状況等により専任性が認められれば」出向社員であっても
OKとしています。
一方、現場に配置される主任技術者及び監理技術者については、「直接的かつ恒常的な雇用関係にあること」が必要とされ、出向社員の配置はNGとされていますのでご注意ください。実際に常勤し、将来的に直接契約を結ぶ予定があったとしても認められません。
令和2年10月1日 改正建設業法一部施行
改正法施行が来月10月と迫ってきましたね。建設現場の生産性向上を目的とし、主任技術者及び監理技術者についての要件緩和が公布されています。
現時点で国土交通省サイトで公開されている資料のうち、主任技術者と監理技術者に関係する部分について抜粋します。
〇監理技術者の兼務容認(建設業法第二十六条の3にただし書きが加えられました。)
これまで:請負金額が3,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の
工事については、工事現場ごとに専任の者でなければならない。
改 正:ただし元請の監理技術者にあっては監理技術者補佐をそれぞれの
工事現場に専任で置いた場合は複数現場の兼任が可能。
(兼務できる数は政令で定めるとしていますので、上限があります。)
〇下請の主任技術者の配置免除
これまで:元請/下請、請負金額にかかわらず、工事現場に必ず主任技術者
(または監理技術者)を配置しなければならない。
改 正:特定専門工事(※)で請負代金が一定の金額未満(※)になるもので、
元請または一次請が一定条件を満たす主任技術者を専任で配置し、
書面による合意があった場合、その下請業者は主任技術者の配置を
要さない。
(※)対象となる工事業種と金額は政令で定めるとしております。
改正法のうち上記の部分は「限りある人材の有効活用と若者の入職促進」を図るものです。
若い方もベテランさんも、益々ご活躍されることが期待されますね!
長屋 弘子