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  第2回

「宅建業免許の内容・要件を検討する前に知っておくべきこと」

  2007/09/19 菅原 賢司

  さて、今回は宅建業免許の内容・要件等の前提となる「宅建業免許の要否」、及び「事務所概念」をまず説明していきます。

1. 宅建業の免許を必要とする場合
 不動産取引の全てに宅建業の免許が必要なわけでなく、宅地建物の取引を「業」として、つまり反復継続して行うときに免許が必要になります。

【例示】
  @ 宅地建物以外、例えば「農地や山林」等の取引には宅建業の免許は必要ありません。
  A 所有者が自己所有の宅地建物を「直接賃貸する場合」(管理行為も含みません)には宅建業の免許は必要ありませんが、その賃貸借契約を「代理や仲介する場合」には取引に該当するので、宅建業の免許が必要です。
    →ビルのオーナーや管理会社が宅建業の免許を持っていない理由が分かりましたね!!
  B サラリーマンが自己所有の宅地建物を売却するのは「業」でないので、宅建業の免許は必要ありませんが、投資用のマンションを購入し販売する(通常1年に2戸以上になるとき)には、宅建業の免許が必要です。
    →ネットオークションの形態でも、1年に2戸以上の販売になるとやはり宅建業の免許が必要になりますので、注意して下さい。


2. 事務所の概念
 宅建業法は事務所を基準にして、宅建業者の規制や消費者保護(例えばクーリングオフ適用の有無など)を考えていますので、事務所概念を理解して置くことが重要です。
 マンションの展示場や現地販売の案内所は事務所でしょうか?
 「事務所」とは、継続的業務を行うことのできる施設を有する場所で、かつ、契約締結権限を持っている責任者がいる場所をいいます。従って、テント張りの案内所、案内嬢や営業マンだけしかいない展示場は事務所ではありません。

 事務所には次のような問題点が派生します。
  @ 事務所ごとに、業務に関する帳簿・従業者名簿・業者標識・報酬の額を備え付けなければならない。
  A 事務所ごとに、少なくとも従業員5人に1人以上の専任の取引主任者を設置しなければならない。
  B 事務所を1つの都道府県内の区域内に設置するときは、「都道府県知事の免許」を、2つ以上の都道府県内に設置するときは「国土交通大臣の免許」を受けなければならない。
  C 事務所については、その数に応じて営業保証金又は弁済業務保証金分担金を積まなければ、営業を開始できない

【応用問題】
 東京に本社がある建設会社A社が、大阪に宅建業を行うために支店を設置したいが、大阪の知事免許で足りるか、それとも大臣免許が必要でしょうか?
 支店や営業所で宅建業を行う場合には、本社が宅建業を行わなくても、本社も事務所となりますので、設問のA社は大臣免許が必要で、本社にも専任の宅建取引主任者を置き、かつ2つの事務所分の営業保証金を納付する必要があります。


3. 手続き上の事務所の取り扱い
 上記の事務所の概念から、宅建業の免許を申請するときはことのほか事務所部分の手続きが厳しくなります。いかに事務所らしく見せて宅建業を開業させられるかが行政書士の腕の見せ所になります。(限界はありますが・・・)

<<下記@とAのケースが問題になります。東京都の取り扱い例を参考に説明しましょう>>
  @ 一般の戸建て住宅の一部を事務所とする場合
  A 同一フロアーに他の法人等と同居している事務所の場合

 @の場合は、
  住宅と出入口以外の事務所専用の出入口があること。
  他の部屋とは壁で間仕切りされていること。
  内部が事務所としての形態を整えており、事務所だけに使用していること。
  入口から事務所までの経路がわかる写真と、事務所である旨の表示(商号・名称)のある写真を、場所を変えて何枚か撮って下さい。写真には番号をつけ、その番号と撮影した方向を矢印で記入する。
  事務所の位置を確認するため住宅全体の「間取り図」を必ず添付する。

 Aの場合は、
  同一フロアーに入っている法人等の出入口が別々にあり、他社を通ることなく出入りができること。
  他社との間に、高さ180cm以上のパーテーション等の固定式の間仕切りがあり相互に独立していること。
  出入口が別であること、間仕切りがされていることが確認できる写真を、それぞれ場所を変えて何枚か撮る。写真は番号をつけ、その番号と撮影した方向を矢印で記入する。
  事務所の位置を確認するため、フロアー全体がわかる「平面図」を必ず添付する。

 以上2つの場合は、事前相談が必要です。業者には、秘密保持義務があるので、@の場合は、プライベートスペースとははっきりと区別をつける。Aの場合は、他社との区別をしっかりとつけることがポイントになります。上記説明に該当しない場合でも、お問い合わせしていただければ、免許取得可能かどうかの判断をいたします。また、各都道府県の担当窓口でも、問い合わせすれば、対応していただけると思います。

 ここまで読んでいただいて、宅建業の免許が必要だ!事務所の要件も満たせる!という方のために次回はさらに詳しい、免許取得の要件を紹介いたします。






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