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「第4回」 会社設立後の周辺事情 

  2008/03/16 菅原 賢司

   一 概 要
会社法の改正で、最低資本金の制限や役員の員数制限はなくなり、株式会社を設立することは容易になりましたが、会社設立後は個人とは別の法人格者になりますので、会社としてやるべき最低の手続きがあります。
 逆に、周到な準備をして会社設立を計画しないと、会社成立後に税務上困った事態が発生しないとも限りません。以下説明します。

1.設立後の手続き:
@まず、銀行で、会社名義の口座を作成します。
  (銀行印と会社の登記簿謄本が必要です)
 →『銀行印』を別個に作る人がいますが、法務局の届出印(実印)を使用しても構いません。
A次いで、税務署と都(又は県)税事務所、及び市町村役場に会社設立の届出をします。(「会社の節税関係」は、次の2.会社設立上の節税対策を参照して下さい)
Bさらに、従業員を使用する場合は、法定福利(労働保険や社会保険加入等)に関する
手続きを行います。
※会社の成立日は、設立申請書類を法務局に提出した日となりますが、会社謄本(現在は法務局がコンピュータ化されているため、『履歴事項全部証明書』と言います)が出来上がるまで1週間ほどかかりますので、会社成立後の手続きは、会社謄本が出来上がってから行うことになります。
《会計書類の公開》
株式会社は、貸借対照表を会社の公告の方法で、毎年1回は公開しなければなりません(決算公告の強制)。これを怠った場合は100万円以下の過料に処せられますので、注意して下さい。

2.会社設立上の節税対策

(1) 消費税の免税特典
  株式会社を資本金1000万円未満で設立した場合には、自動的に消費税は2年間免除されます。
【参考】
 3000万円の売上があった個人事業者が1000万円未満の会社を設立した場合でも
2年間は消費税を免税されます。会社設立2年後に個人事業者に戻ったら、4年間は消費税が免除されることになります。
初めの2年間は個人事業者、次の2年間は会社、その次の2年間は個人事業者に戻す。それをずっと繰り返せば消費税は永遠に払わなくて済むことになりますが、このような組織変更は合理的な理由がないと、税務署から課税逃れの疑いを掛けられる恐れがありますので注意して下さいね。

(2)青色申告の特典 
  会社設立後2カ月以内に「青色申告の承認申請書」を税務署に提出申請すると、下記の特典を受けることができます。
 @純損失の「繰越」控除・・・当期に発生してしまった赤字は、翌期以降最高7年間繰り越すことができます。つまり、前期までに発生してしまった赤字を、利益で埋めてしまうまでは税金を納めなくてもよいです。青色申告で前期までに赤字を出していた場合、当期の利益と前期までの赤字を相殺することができます。
前期までの赤字が2期以上の事業年度で発生している場合、最も古い事業年度に発生した赤字から順に控除していきます。
A純損失の「繰戻」控除・・・設立から5期までの間ですが、赤字を繰り戻して、1年だけさかのぼって納めた税額を返してもらえます。つまり、赤字を繰り戻して、1年だけさかのぼって納めた税額を返してもらえるのです。
  前期は、売上がバンバン伸びて、利益を出して税金を納めたのに、当期はぜんぜん売上が伸びなくて赤字になってしまったというような場合は、1年だけさかのぼって納めた税金を返してもらうことができます。ただし、設立5期までが限定です。

3.会社の証明書類:

  通常、@履歴事項全部証明書、A印鑑証明書、B定款が会社の証明書類になります。@とAは法務局から発行してもらえます(手数料:@1,000円A500円)。法務局はオンラインで繋がっていますので、どこの法務局でも発行可能です。
 【注意】定款の扱い:
  設立時の定款は公証人の認証を受けますので、この定款が会社の定款だと勘違いしている人が多いです。定款は会社の組織内容を文書化したものですので、当然組織内容に変更が生じたときは設立時の定款は意味をなさなくなります。
そこで、設立時の定款でなく、変更後の定款(現在の組織内容に合わせて会社が作成したもの)に『この定款は原本に相違ありません。○○会社 代表取締役△△ 印』という奥書を付けたもの(これを「原本証明」といいます)が会社定款になります。

今回説明させていただいた通りに、事前にしっかりとスケジュールを組んで、計画的に手続きを進めることが、成功の第一歩です。
 ⇒次回は「設立時の株主及び役員構成と節税の関係」を説明します。

  成功する会社を作りたい!とお考えの方は「行政書士法人菅原事務所」にご相談下さい。




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