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第1回 「なぜ会社を設立するのか?」

  2007/09/05 菅原 賢司

   事業を行うに当たって、まず個人で行うか、会社を設立して行うべきかを、私たちは決定しますね。例えばラーメン屋を開業する場合、或いは建築業者としてマイホームを販売する場合、あなたならどうしますか?
 行政書士が普段行っている許認可の視点からは、ラーメン屋の開業には保健所の「飲食業営業許可証」が、マイホームの販売するには、注文住宅なら「建設業の許可」が、建売住宅の販売には「宅建業の免許」が必要になります。
 お客様目線で見ると、許可や免許さえ取っていれば、相手の事業が個人であろうと会社であろうと関係なしで足を運ぶことができますか? ラーメン屋に入るときはおいしいかどうかの基準ですが、住宅を購入する場合にはやはり個人事業者では一抹不安ですね。昔は腕のいい大工さんが家を建てていましたが、現在では会社が建設工事を行っています。なぜでしょうか?
 会社だと「社会的信用」が違いますね。住宅も10年保証が当たり前の時代になりましたが、アフターフォローを含めて長期のメンテナンスになると、資本力・組織力のある会社でないと対応できません。金額の高いものを継続的に供給する事業を行う場合だけでなく、さらに福利厚生を充実させ、安定した雇用を確保するためにも会社組織が不可欠な要素になっています。役員の退職や死亡等でも会社は存続していきます。
 事業は、「収益」−「費用」=利益という数式、つまり『利益』を稼ぐための行為です。売上が少ない場合は、経費(費用)を掛けないようになりますので、個人事業向きです。しかし、規模が拡大し社会的信用を必要とする場合、例えばラーメン屋もチェーン店を展開し、事業を拡大するようになると、店舗の借り入れ契約する場合には、会社で契約した方が貸主も安心しますし、銀行も融資しやすくなります。
 起業というのは、一定のリスクを抱えながら利益を拡大する現象ですので、個人か会社かを決めるのも企業目的や規模等によって左右されます。昨年度の会社法の改正を踏まえ、税金面等を考慮しながら、次回からさらに具体的に会社制度に触れていきます。

【個人事業の特質】
  確定申告が簡単で、所得がない場合は納税義務すら発生しない。固定費を抑えて小規模で事業をおこなう業種に向いています。ただ、事業主が高齢等で業務を継続できなくなったときは廃業を余儀なくされ(業務の一身専属性)、事業財産は相続の対象になる。個人事業者が会社組織になったときは、個人事業当時の許認可も失効し、新たに取り直さなければならない。

【会社の特質】
  利益がないときでも、法人事業税・法人市民税の納税義務が発生する。が、利益を得ることができる場合には、費用やリスクの分散が可能になる。(詳細は次回以降にて)






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